razutan’s blog

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【鳥人間】接着目的の樹脂の検討2

前回に続いて、人力飛行機における接着目的の樹脂の検討です。

【鳥人間】接着目的の樹脂の検討1 - razutan’s blog

 

今回は接着分子と被着体が密接であることを議論する上で必要な考え方である"濡れ性"について書いていこうと思います。

 

 

1-2.濡れとは

固気界面が固液界面に置き換わる現象。付着濡れ、拡張濡れ、浸透濡れ、浸漬濡れなどがあるが平衡状態であり(他サイト参考)、後述するYoungの式で記述できる付着濡れ、浸漬濡れだけ考えれば良いと思います。また、CFRP板の濡れを議論する場合は浸漬濡れは無視してもいいかもしれないです。

 

 

1-3.接触角と固体の表面張力からどれだけ濡れるかを判断(定性的)

液滴の形状と接触角の大きさについて見ていきます。

 

接触角とは、wikipediaを見てみると「固体表面が液体及び気体と接触しているとき、この3相の接触する境界線において液体面が固体面と成す角度を接触角(contact angle)といい、接触角が90°以下の状態をぬれると呼ぶ」と書いてありました。

 

θを接触角とすると…

・θ=0°・・・液体は固体を完全に濡らし、表面全体に広がる状態で理想条件。

・0<θ<90°・・・程よく濡れている状態。

・θ>90°・・・液体は全く固体表面に広がらず、表面を濡らすことはない。

・θ=180°・・・一点で接している状態。これも理想条件。

 

θが小さいほど濡れ性向上!また、θ=0°が最も理想。

 

 

1-4.接触角と固体の表面張力からどれだけ濡れるかを判断(定量)

接触角が小さいほど濡れる(接着分子と被着体が密接になりやすい)ことは理解できたかと思います。この現象についてもう少し理論立てしていこうと思います。

 

付着濡れ

ΔG_a=γ_SL-(γ_SV+γ_LV)

ここでγ:表面張力を表し、ΔG_aが小さくなるほど濡れ性は向上します(より濡れる)。

また液体の表面張力γについて

 

と述べてもアレなので途中過程は全てカットで!

最終的に…

 

ΔG_a=-γ_LV(1+cosθ)

θが小さいほどΔGaは小さくなり、安定するので濡れ性向上!θ=0°が最も理想であることもわかる。

 

 

今回はここまで。次回はここまでを通して、自作CFRP板界面の付着濡れについて書いていきます。