razutan’s blog

日々の趣味をまったりと書いています。釣りやキャンプといったアウトドアから楽器・アクアリウム・人力飛行機などなど。

【鳥人間】CFRP板の強度up!C/Cコンポジットの利用

今回はCFRP積層板についてです。

 

 

1.CFRP積層板についてとその製作

CFRPはcarbon fiber reinforced plasticの略であり、炭素繊維とエポキシ樹脂の複合材料として広く使われています。

人力飛行機にもその応用箇所は広く、フレームや翼桁のみならず接合部や操縦桿にまで幅広く利用されています。

 

CFRP積層板は購入も出来ますが、自分達で製作しているチームも多いかと思います。

・編んだ炭素繊維にエポキシ樹脂が含有しているプリプレグを重ね、加圧加熱する方法

・CFクロスにZ-1などの2液混合型エポキシ樹脂を塗布し、重ねて加圧過熱をする方法

などがあります。

 

 

2.CFRP積層板の構造

実際に作る際には、同じ方向で繊維を重ねるだけではあまり意味がありません。

等方向性のプリプレグの場合は0°,90°…と重ね合わせたり、また45°や-45°方向に配置することも多いですね。

 

これを加圧、加熱すると樹脂は硬化して凝縮します。つまり炭素繊維と硬化後エポキシ樹脂が交互にサンドイッチのように合わさることで複合材料が形成されます。

 

強度(曲げ・引っ張りなど様々な意味合いを持つが、ここでは物質本来の強さ、という意味で…深い意味はないです)では炭素繊維のC原子のみで結合を持たせた方が上ではないかと思います。

しかし、焼成した炭素繊維の方向性が互い違いになることに大きな意味があります。

それを繋ぎ止めるためには樹脂が必要なのです。

 

 

3.樹脂も炭素繊維同様の焼成した炭素に置き換える

炭素繊維がある配向で重なり、これが樹脂無しで固着するのが理想かと思います。

 

この理想に少しでも近付けたのがC/Cコンポジットで、要はCFRP積層板のエポキシ樹脂の所が炭素繊維同様の焼成した炭素に置き換わるということです。

 

C/Cコンポジット は等方性黒鉛材(CFRP)と比較して強度が高く、たわみにくく、ワレ、カケが発生しにくい材料です。

また破壊が急激に進行することがありません。

人力飛行機にはそこまで求められませんが、金属材料と比較して高温での強度が高く、不活性雰囲気においては2000℃以上の超高温下でも使用可能との知見があります。

 

一般的な製法は

炭素繊維を基材に樹脂を含浸させ、焼成して炭素化(必要に応じて黒鉛化)する含浸法」

あるいは

炭素繊維基材に炭化水素を熱分解して得られる炭素を沈積させるCVD法」

によるそうです。

鳥人間をやっているチームが簡単に実現できるとすれば樹脂含浸法だと思います 。

 

しかし焼成すると空孔が生じてしまうため、再び樹脂を含浸して焼成を6回程繰り返す必要があります。

ここで問題となるのは焼成方法そのものです。

どうやって高温(少なくとも1000℃は必要…?)にすればいいのでしょうか。

一番手っ取り早いのは電気炉を購入してしまうことですが、10万円を超えてしまうため、とても人力飛行機製作においてここにそこまでの額を支払う余裕は無さそうですね…。

 

 

鳥人間界隈へ新しい材料の一例として提案出来たらと思いました笑

閲覧ありがとうございました。