【鳥人間】CFRP専用"炉"の検討~乾燥器の利用~
鳥人間をやっていて、炭素繊維強化プラスチックCFRPを自分達で製作する際に一度は炉の自作を検討することがあるかと思います。
今回はその炉として乾燥器が使えると思い、書いていきたいと思います。
(自作炉についてはまた後日書く機会がありましたら…)
1.炉の必要性
CFRP板や特定の形状を持つCFRPを自作する際に、プリプレグや樹脂含浸CFクロスを加圧加熱硬化させると思います。
ウェット積層(樹脂を含浸させたクロスを積層し、常温で加圧して硬化させて成型する)ならば関係ありませんね。
加熱で手っ取り早いのは穴を開けたビニール袋に樹脂硬化前のものを入れ、ドライヤーを放り込めばokです。
しかし、
・温度制御が出来ない
・単純に危険
といった問題があります。
樹脂硬化前のものを温度一定で何時間キープするか…といった加熱をやりたいのであれば周りを箱で覆い、熱を逃がさないように工夫し、温度制御のプログラムを組む必要があります。
そこで炉が必要となってきます。
2.炉に求められる性能
炉に求められる性能をまとめていきます。
・温度を130℃付近まで上げられる
・その温度をキープできる
・時間制御ができる
・熱を逃がさない
・CFRP積層板を組んで(接着はエポキシ樹脂)、クロス貼りをしたものを入れることが出来るほどの容量。少なくとも主翼マウントが入るくらいは欲しい。
(・真空引き用ポンプを入れられる)
これ以外にもあると思いますが、パッと思いついたものを羅列してみました。
3.炉としての乾燥器の利用
乾燥器は化学系でよく使われる、ガラス器具の乾燥器のことです。
液体洗剤またはクレンザーで水洗いしたガラス器具をイオン交換水で置換し、乾燥器に入れて120℃でキープしておけば数時間後にはアツアツの乾いたガラス器具が使えるようになっています。
これ、中にプリプレグを積層した板を入れておけば良さそうですね!
一定の温度で好きな時間を設定すれば加熱出来るので、まさにCFRP専用"炉"としてピッタリです。
樹脂の硬化を早めるために熱をかける用途としても良いかと思います。
あとの問題は加圧です。
真空引きは、硬化させたいものをブリーザークロスや耐熱フィルムを用いて覆い、ポンプで中の空気を吸います。
これを乾燥器の中で行うためにはポンプを外から中に入れられる構造になっていれば良いですね。
乾燥器で検索をかけてヒットした商品の中で気になったものをいくつか紹介します。
タイマー機能が付いているので、好きな時間加熱出来ますね。出力設定が固定なので温度制御は出来ませんが、エポキシ樹脂の硬化待ちには向いているかもしれません。
天井部に穴が空いており、ホースも差し込められて良いですね。
また¥19,000であり鳥人間チームでも何とか買える金額なのかなと…。
こちらは温度も制御できます。
内容積も上のものと比較して大きめですね。
¥84,900とお高めなので現実的ではないですが…。
電装班によって温度制御プログラムを組んでもらえる環境であれば、ボックスをうまく作れば自作も出来ると思います。
しかし自分含め、電子工作や情報系にそんなに強くない人には導入するだけですから手軽です。また、強い人にもこういったモノは結構便利なのでは?と思い、紹介させていただきました。
閲覧ありがとうございました。